北大開示文書研究会のシンポジウム・出前講座

アイヌの遺骨はコタンの土へ 歴史的な再埋葬を語る集い

報告1 「遺骨を迎えたコタンの末裔の思い」

小川隆吉さん

小川隆吉 訴訟原告、コタンの会顧問

 いろいろ、いろいろ考えてきたんだけども、もう、胸がいっぱいになって。困った。

 私はね、自分の親族(の遺骨)が北大にあるのを知らないまま、(提訴後の)2年間を過ごしてきたの。それがね、分かったのは、(北大のアイヌ)納骨堂に入って(杵臼から持ち出されてきた遺骨を)見た時に「小川海一郎(叔父の名前)」と(頭蓋骨の)頭に書いてあった。これで完璧に……。(杵臼の)私の墓に、墓碑があったの。墓碑が。その墓碑(に刻まれた故人の名前)の中に、「小川海一郎」と書いてあるんで、(海一郎の遺骨は掘り出されず)てっきり墓の中にあると思ってきたの。それがね、ついに北大にあるのを確認した。うん。

 もう一個ね、この状況を(実現させるきっかけになったのは)、(2008年1月に)北大の恵迪寮にいる医学部の学生から、私に電話があって、電話でこう言った。「小川さんが探しているアイヌ人骨台帳らしいものがあったよ」と。「まさか、ホントかい?」と言ったら、「僕は嘘を言いません」と言った。このことがなかったら、今日はないんだわ。いま、この青年に会いたいと思っているの。風の便りでこのこと(杵臼への遺骨返還実現)を見ていたら、会いに来て欲しいと思います。

 終わります。(拍手)

<もどる previous 次へ next>